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日本政府は外国人の人権について国連への報告
(参考資料 2004年9月16日付小樽温泉訴訟高裁判決記者会見配付 有
道出人編集)

全ての言及されているドキュメントは http://www.debito.org/japanvsunj.html



 サマリー:1999年、日本政府発行の人種差別撤廃委員会への報告らを読 むと、妙な議論が出てくる。日本政府は外国人は日本国憲法に護られていると認めるものの、国籍がないので国連の人種差別撤廃条約で護られないと曲解する。しかも、同和、アイヌと琉球民族は民族的に倭人であり、同条約に護る必要がないと出張。つまり、単一民族日本ではこの条約で保護される人はいな い。(特に「最終見解に対する日本政府の意見」01年10月発行、1 (2) a. b.を参考に) 国際結婚や帰化した国民もいて、日本在住の外国人は日本国憲 法で護られるのに、こうやって日本立方と同様に拘束力がある条約を無意味に しようとした。




日本政府が発行した人種差別撤廃条約第1回・第2回定期報告
1999年 6月発行より
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/99/1.html

●問題があれば、裁判所に訴える権利がある:
 総論 4.(中略)更に、国民の権利が侵害された場合には、裁判による救
済を受け得るが(憲法第32条は、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利
を奪はれない」と定めている。)、憲法は、独立かつ公正な裁判を確保するた
め、裁判官に「その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律に
のみ拘束される」(同第76条第3項)との立場を保障している。

●この場合、国際条約は国内で効く:
 総論  5. 我が国が締結した条約は、条約及び国際法規の遵守義務を規定
する憲法第98条第2項の趣旨から、国内法としての効力を持つ。なお、条約の
規定を直接適用し得るか否かについては、当該規定の目的、内容及び文言等を
勘案し、具体的場合に応じて判断すべきものとされている。

●日本国憲法の外国人の人権保護について:
 総論 3.(中略)憲法が規定する基本的人権の保障は、権利の性質上日本国
民のみを対象としていると解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対
しても等しく及ぶものとされている。」(注1)本報告において、外国人の扱
いについて特に取り上げているが、このことは我が国が国籍に基づく区別を本
条約の対象と見なしていることを意味するものではない。
(つまり、外国人は国民ではないので、人種差別撤廃条約で守られていない)

●しかし、外見のみで「外国人」であるかは分からない時代である。人種的に
日本はどれくらい多様化されている?分かりません。意図的に。

 総論  7. 我が国では、人口を調査する際、民族性といった観点からの調
査は行っていないので、日本の人口の民族構成については必ずしも明らかでは
ない。



●国連の返事、日本政府の返事:(人種差別の撤廃に関する委員会 第58会期
人種差別の撤廃に関する委員会の最終見解)CERD/C/58/CRP.
CERD/C/58/Misc.17/Rev.3 2001年3月20日発行  
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/saishu.html

 (国連の見解) C.懸念事項及び勧告   7.委員会は、人口の民族的構成比
を決定することに伴う問題に関する締約国の意見に留意する一方、報告の中に
この点に関する情報が欠けていることを見い出している。委員会の報告ガイド
ラインにおいて要請されているように、人口の民族的構成比についての完全な
詳細、特に、韓国・朝鮮人マイノリティ、部落民及び沖縄のコミュニティを含
む本条約の適用範囲によってカバーされているすべてのマイノリティの状況を
反映した経済的及び社会的指標に関する情報を次回報告の中で提供するよう

締約国に勧告する。
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●人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する 最終見解に対する日本政
府の意見の提出より  2001年10月発行 
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/iken.html

 (日本の見解)(3)なお、我が国の国勢調査は、国内に居住するすべての
人に申告義務を課して行う統計調査であること
から、調査事項は、記入者負担
等を考慮しつつ、国の基本的政策遂行上、必要最小限に限定して実施してい
る。

(コメント:全ての居住する人は外国人の情勢を調査する義務に及ばない?)

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 (国連の見解) 9.委員会は、憲法第98条が、締約国によって批准された条
約が国内法の一部であると定めているにもかかわらず、あらゆる形態の人種差
別の撤廃に関する国際条約の規定が、国の裁判所においてほとんど言及されて
いないことにつき、懸念をもって留意する
。条約の規定の直接適用は、その規
定の目的、意味及び文言を考慮して、個別のケース毎に判断されるとの締約国
からの情報に照らし、委員会は、国内法における本条約及びその規定の地位に
つき、締約国から明確な情報を求める。

10.委員会は、本条約に関連する締約国の法律の規定が、憲法第14条のみであ
ることを懸念する。本条約が自動執行力を持っていないという事実を考慮すれ
ば、委員会は、特に本条約第4条及び第5条に適合するような、人種差別を非合
法化する特定の法律を制定することが必要であると信じる。
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 (日本の返答) 4.(1)裁判所における個別具体的事件に関する条約の規
定の適用の在り方については、政府としてコメントすべき立場にはないが、一
般論として考えた場合に、(a)裁判所が判決においていかなる法規を適用す
るかについては、当事者が主張した事実や提出した証拠に基づいて裁判所が認
定する事実を前提とするという制約があること、(b)条約の規定の趣旨がす
でに国内法の規定に反映されていることなどから、条約の規定そのものを適用
しなくても判決の結論に影響しない場合も少なくないこと
、などの点にかんが
みれば、裁判例の中に本条約の規定に言及している事案が少ないからといっ
て、直ちに裁判所が本条約の適用に消極的であるとの結論にはならないと考え
られる。

(コメント:これは2001年10月に書かれたのに、小樽温泉問題は1999年から全国的に知られて2001年2月に提訴されました。なぜ「事案が少ない」と主張できるのか。)

 (2)国内法における本条約及びその規定の地位については、我が国の憲法
第98条第2項は、「日本国が締結した条約及び確立した国際法規は、これを誠
実に遵守することを必要とする」と規定しており、我が国が締結し、公布され
た条約等は国内法としての効力を持つ。我が国の憲法には、我が国が締結した
条約と法律との関係についての明文の規定はないが、一般的に条約が法律に優
位するものと考えられている。


  ただし、本条約の実体規定(第2条〜第7条)が、「締約国は、....
約束する。」等と規定していることからも明らかなとおり、そもそも直接個人
の権利義務を創設するものではなく、締約国に対して人種差別の撤廃の義務を
課しているものと考えられる。我が国は、第1回・第2回政府報告で報告したと
おり、本条約が締約国に課している義務を誠実に履行している。

 5.(1)(前略)第2条1では、すべての適当な方法によりと規定されているこ
とから明らかなように、立法措置は、状況により必要とされ、かつ立法するこ
とが適当と締約国が判断した場合に講じることが求められていると解される。
我が国の現状が、既存の法制度では差別行為を効果的に抑制することができ
ず、かつ、立法以外の措置によってもそれを行うことができないほど明白な人
種差別行為が行われている状況にあるとは認識しておらず、人種差別禁止法等
の立法措置が必要であるとは考えていない。


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(国連の見解) 12.人種差別の禁止全般について、委員会は、人種差別それ
のみでは刑法上明示的かつ十分に処罰されないことを更に懸念する
。委員会
は、締約国に対し、人種差別の処罰化と、権限のある国の裁判所及び他の国家
機関による、人種差別的行為からの効果的な保護と救済へのアクセスを確保す
べく、本条約の規定を国内法秩序において完全に実施することを考慮するよう
勧告する。

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(日本の返答) 6.(前略)第4条の定める概念は、様々な場面における様々
な態様の行為を含む非常に広いものが含まれる可能性があり、それらのすべて
につき現行法制を越える刑罰法規をもって規制することは、その制約の必要
性、合理性が厳しく要求される表現の自由や、処罰範囲の具体性、明確性が要
請される罪刑法定主義といった憲法の規定する保障と抵触する恐れがあると考
えたことから、我が国としては、第4条(a)及び(b)について留保を付すること
としたものである。

 また、右留保を撤回し、人種差別思想の流布等に対し、正当な言論までも
不当に萎縮させる危険を冒してまで処罰立法措置をとることを検討しなければ
ならないほど、現在の日本が人種差別思想の流布や人種差別の扇動が行われて
いる状況にあるとは考えていない。


8. (1)(中略)、同条は、人種差別の助長等の意図を有する行為を対象と
して締約国に一定の措置を講ずる義務を課しており、そのような意図を有して
いない行為は、同条の対象とはならないと考えている。

(コメント:つまり、差別主義者は「差別する意図がないが、入店お断り」と 弁解して可)

以上

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