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X-Sender: debito@debito.org
Date: Mon, 21 May 2001 10:55:39 +0900
To: debito@debito.org
From: Arudou Debito/Dave Aldwinckle <debito@debito.org>
Subject: 国連大学、「学問の自由」より道庁等の協賛金を優先

国連大学:「融資」と「学問の自由」の危い関係
(転送歓迎)

国連大学は人権セミナーの発言者を受入れてから招待を撤回
その却下された発言者は小生、有道 出人
北海道庁と北海道経済連合会から抗議と協賛金がなくなる恐れによる

背景:

本年8月22-25日の予定、国際連合大学(東京都渋谷区神宮前)はグローバル・セミ
ナーを開催し、「人権:グローバルな眼・ローカルな眼」というテーマでした。北海
道第2回セッションとなり、開催所は小樽市だった。

本年1月6日、私は小樽商科大学の教授 相内 俊一氏より講議依頼を受けて(http:
//www.debito.org/UNUGlobalSeminar.html#acceptance
)、そして依頼状況の知らせの
中、講議がきちんとスケジュールに載った(http://www.debito.org/
UNUGlobalSeminar.html#schedule
)。テーマは「外国人に対する入浴拒否問題」(サ
ブテーマ「人権と国籍」)にした (http://www.debito.org/nihongotimeline.html)


ところが、約4ヶ月後、4月30日付、国連大学事務局長 駒月 昭雄氏から英語で
却下状を送った。(http://www.debito.org/UNUGlobalSeminar.html#ding) お手紙に
よると、「セミナーのプログラムはまだ未定」と「北海道セッションは予定通りで開
催できかねます」。即ち、保留もしくはキャンセルとなった。

でも、相内先生によると、この問題はスケジュール問題とは無関係である。原因は、
国連大学が有道出人を講師からはずせと主張しはじめたのに対し、北海道の大学の先
生6人が参加しているプログラム委員会で反対があり、委員長を含む4人が辞めたと
いう事情によるものだった。国連大学がプログラム委員長の相内先生に伝えた内容は
、有道出人は裁判中の当事者だから不適格ということの他に、彼を講師にするとセミ
ナーのスポンサーの協賛金の撤回の恐れがあるというものだった。(これからの情報
を相内先生から聞いたので、質問や取材ならどうぞ彼に直接お聞き下さい。取材許可
が出ました。連絡先は一番下のところです)

本年2月、北海道庁と日本経済連合会は国連大学に協賛金275万円を融資する予定
だった(セミナーの予算の三分の一)。ところが、有道 出人が発言者として参加す
るならば、道庁と道経連は融資的にサポートしないと言った。

結局、国連大学の駒月氏は3月22日、「大学の基本政策として、現在裁判中の当事
者を大学主催のプログラムに参加できない」と言い、「有道 出人はセミナーの講師
としてふさわしくない」と相内先生に伝え、駒月氏は「有道 出人に伝えて下さい」
を頼んだ。

相内先生は拒否した。依然、こういう基本政策について一切知らせてもらわなかった
ので、本当に以前から存在していたのかは非常に疑わしいと言った。それに、「裁判
中」で何が悪いですか、と。提訴するのは国民の権利であり、違憲・違法性行為では
ないので、裁判中の当事者を却下するこそ人権侵害になる。人権セミナーが人権を侵
すことは大変皮肉だと感じたようた。しかも、駒月氏は学者ではなく、大学の行政者
である。セミナー内容は学者・プログラム委員会の決定権限であるのでなぜ大学が手
に入れるのかは不明だった。説明も不明なので(この件について大学で行った会議は
非常に不透明だとも感じたよう)、相内先生は抗議を打ち出した。

結局、ここまでスポンサの「融資の虜」になると学問の自由の侵害ともなると思い、
相内先生はプログラム委員会会長として辞任した。その他の委員会委員6名のうち3
名、合計4名が委員を辞めた。(相内先生:
http://www.debito.org/UNUGlobalSeminar.html#aiuchiprotest) (萱野ともあつ氏の
英文: http://www.debito.org/UNUGlobalSeminar.html#kayanoresponse)

ところで、道経連はもう一人の発言者をやめてもらいたかった(貝澤耕一氏:「アイ
ヌ民族に対する人権侵害」)が、裁判中ではなくて排斥するのは無理だった。だから
、有道 出人のみが却下された。

国連大学の言い分だが、「客観的に話せないので裁判中の当事者はふさわしくない」
と「当事者を招待すると国連大学は原告の味方に見える」である。但し、裁判中であ
るかないかにとって、あくまでも私はこの論争で当事者とはなりますので、こういう
ふうに「客観的さ」を守るなら社会問題について詳しいスピーカーを招待するのが大
変限られるようになる。いずれにしても裁判中と却下は関係がないと思う。そして、
「味方」の件だが、セミナーやフォーラムに出る発言者の感想は「スポンサーの意見
ではない」というdisclaimerを予め明確にすれば、普通は問題ないはずである。発言
者を検閲の原因とはならない。私個人が思うには、この理由が「こじつけ」であるの
で、やはりスポンサの融資には恩義を受けていると思う。これこそ「国連大学」の威
厳と評判にはふさわしくない行動であると感じる。

これは残念だとは片付けやすいかもしないが、実は法廷で戦うと色々な社会却下を招
くようである。例えば、私は新聞のコラムを書くために道新に尋ねたが、結局はっき
り「あなたが係争中だからダメ」(資格や才能を見ず)と断った。(http://
www.debito.org/UNUGlobalSeminar.html#doshinding
) しかも、CLAIR (財)自治体
国際化協議会(JETプログラムの指揮機関)は2年連続の契約更新予定者研修会の温
泉問題と全く無関係な発言機会を却下した(もちろん、これは裁判中とは関係がない
かもしれないが、断る理由は一切書いてありません。
http://www.debito.org/UNUGlobalSeminar.html#jetding )。でも、これは国連大学
と若干違う待遇である。私から道新とCLAIRに志願した。国連大学の場合、大学から
の依頼の撤回された。

ともあれ、既に駒月氏に説明を乞う手紙を送ってあるので、御返答をお待ちしており
ます (http://www.debito.org/UNUGlobalSeminar.html#dingresponse)。

宜しくお願い致します。
有道 出人

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問合せ先:

駒月 昭雄氏
国際連合大学 本部 事務局長
〒150-8925 東京都渋谷区神宮前5丁目53-70
Phone (03) 3499-2811, FAX (03) 3499-2828
email: mbox@hq.unu.edu

相内 俊一 氏
前プログラム委員会会長
小樽商科大学
勤務先電話、留守電と FAX兼用: (0134) 27-5403
email: t_aiuchi@res.otaru-uc.ac.jp

以上