無罪でも延々勾留 スイス人に裁判長「お気の毒」…また無罪

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無罪でも延々勾留 スイス人に裁判長「お気の毒」…また無罪
2008年04月09日22時38分
http://www.asahi.com/national/update/0409/TKY200804090374.html

 覚せい剤取締法違反などの罪に問われ、一審・千葉地裁で無罪判決を受けた後も勾留(こうりゅう)が続いていたスイス人女性(28)の控訴審で、東京高裁は9日、検察側の控訴を棄却する判決を言い渡した。女性の勾留は解かれたが、不法残留のため入国管理施設に収容されたとみられる。

 中山隆夫裁判長は、「知人に頼まれて国外から持ち込もうとしたスーツケースの中に、覚せい剤が入っているとは知らなかった」との女性の主張を受け入れ、有罪とするには合理的な疑いが残ると述べた。言い渡しの後には、無罪でも勾留が続いた経緯に触れ、「裁判所としても気の毒だったと思う。しかし、知らなかったとはいえ、軽率にも覚せい剤を持ち込んだ。犯罪とみられても仕方のない面があったことを理解してほしい」などと、女性に向けて語りかけた。こうした「説諭」は極めて異例。

 女性は06年10月に覚せい剤約2.3キロをマレーシアから密輸しようとしたとして逮捕、起訴された。千葉地裁は昨年8月に無罪を言い渡したが、控訴した検察側が勾留を求め、東京高裁が職権で勾留を続けてきた。

 日本人が被告の場合は通常、一審で無罪判決が出れば刑事訴訟法の規定により釈放される。しかし、不法残留の外国人がいったん国外退去となれば、控訴審を続けられなくなる可能性が高いため、無罪でも勾留の必要があるとされた。

 弁護側は「外国人だけ勾留するのはおかしい」と勾留の取り消しを求めて争ったが、最高裁は昨年12月、「罪を疑う相当な理由があるため控訴審で勾留しても問題はない」と結論づけた。ただし、5人の裁判官のうち2人が、刑事訴訟法の手続きと出入国管理法の手続きに不備があることを批判した。

 女性は入管施設に一時入ったこともあったが、逮捕から1年5カ月余にわたって勾留され続けた。弁護人は「無罪であればなおさら、今までの勾留は何だったのか分かりにくい。日本人だったら勾留されていなかった。女性は法の不備による犠牲者だ」と指摘し、法整備を訴えた。

 東京高検の鈴木和宏次席検事は「誠に残念。判決内容を十分検討し、適切に対処したい」とコメントを出した。仮に上告すれば、再び勾留が問題となる可能性がある。
ENDS

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