janjan.jp: 河野太郎氏 2008/11/17付 国籍法の改正について

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政治

国籍法の改正について(ごまめの歯ぎしり)

河野太郎2008/11/17
国籍法の改正について、お問い合わせをいただいております。いろいろなご意見、ご質問、ありがとうございました。しかし残念ながら国籍法の改正に関して、事実と全く違うことに基づいた誹謗中傷や、看過できない人種差別的、外国人蔑視的なご意見などが寄せられています。
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国籍法の改正について(ごまめの歯ぎしり) |

ごまめの歯ぎしりメールマガジン版
衆議院外務委員長河野太郎の国会日記
 08年11月14日号


 国籍法の改正について、お問い合わせをいただいております。

Q.なぜ、河野さんは、この国籍法の改正案を国会に提出したのですか。

A.なぜかインターネット上でそう言われているようですが、この国籍法の改正案は、議員が提出した法案ではありません。法務省が作成し、政府が閣議決定した内閣提出の法案です。私が提出したわけではありません。

 今年6月5日、最高裁判所大法廷で、国籍法第三条一項が違憲とされました。違憲判決の翌日から10月9日までに93件の国籍取得届が出されていますが、法務省はこれを全て留保している状況です。法務省は、この届けを受理するためには最高裁判決に沿った法改正が必要だと修正案を作成し、閣議決定を経て、内閣提出の国籍法改正案としてこの臨時国会に提出されています。

Q.この法案の国会審議の見込みはどうなっていますか。

A.この改正案は、衆議院では自民、公明、民主等各党が賛成し、来週にも衆議院を通過する見込みです。

Q.最高裁が違憲だといっても、国籍法を改正する必要はないのではないですか。

A.最高裁の違憲判決が出て、国籍法の第三条が違憲であるということが確定した時点で、認知届けが受理された子供の国籍取得届を却下することはできなくなります。

 そのため、法改正をして国籍届けを受理する必要があります。もしも、何らかの理由で法改正ができない場合は、そのまま届けを受理せざるをえなくなるかもしれず、法律的に安定しません。政府としては、そういう状況を避けなければなりません。

Q.この改正案が成立すると日本国籍を取るために偽装認知しやすくなりませんか。外国人女性がホームレスにお金を渡して認知届を出させるだけで、子供が日本国籍を取ることができるようになったりしませんか。

A.ホームレスにお金を渡して届けを出させればといえば、改正前のルールでも、お金を渡して認知届けと婚姻届を出させれば国籍が取れてしまうということになってしまいます。現実には、事情を聞いて認知届けを受け付けるかどうか審査をしていますので、単に誰かに頼んで届を出させただけではそれは認められません。

 この改正案が成立しても、認知届けを出せば簡単に日本国籍がとれるわけではありません。認知届けが真正なものかどうか、父親と母親を別々に呼んでの審査等がありますので、実態がない認知届けによる国籍取得が簡単にできるわけではありません。

Q.偽装認知により国籍を得た後で、認知が偽装だということがわかったらその国籍はどうなりますか。

A.認知が無効であれば、それに伴う国籍取得も無効になります。認知が偽装であったことがわかれば、国籍取得も無効になりますから、国籍はそもそも最初から与えられなかったことになります。

Q.偽装認知による国籍取得の罰則が一年以下の懲役または二十万円以下の罰金というのは軽くないですか。

A.偽装認知により国籍を不正に取得することに対する罰則は、まず認知届を市町村に出すことによって公正証書原本不実記載罪、法務局に国籍取得届を出すことによりこの改正で新設される罰則、子の戸籍を編成するために市町村に国籍取得届を出すことにより、公正証書原本不実記載罪に再び問われ、併合して七年六ヶ月以下の懲役または百二十万円以下の罰金になります。

Q.審査があるといっても完璧ではないので、外国籍の女性の子供を認知する際にはDNA鑑定を必要とするべきではないですか。

A.偽装認知を防ぐためには、DNA鑑定も一つの方法だと思います。私が自民党の国籍プロジェクトチームに出した私案では、外国籍の女性の子供を認知するときはDNA鑑定を条件とすることを提案しています。

 ただし、DNA鑑定を必須とすることには、自民党内でもいろいろな懸念も出されていますので、これからの検討課題です。

Q.この国籍法の改正で、日本も二重国籍を認めることになるのですか。

A.今回の国籍法の改正は、二重国籍とは全く関係ありません。

Q.「二重国籍に関する座長私案」とはなんですか。

A.現在の国籍法では、両親の国際結婚などで重国籍を持つ者が二十二歳になったときにどちらかの国籍を選択しなければならないという国籍法の規定があります。しかし、この規定が有名無実化しているという問題があります。現時点でおそらく六十万人以上の重国籍者が二十二歳での国籍選択をしていないという状況にあります。

 国籍選択を厳密に実施するか、重国籍を認めるのかという議論をこの一年続けてきましたが、重国籍を認めるとしたらどう認めるべきかという議論のたたき台を「座長私案」という形で出すことになりました。これをもとに今後、じっくりと重国籍に関する議論を進めていくことになります。

 いろいろなご意見、ご質問、ありがとうございました。

 これからも様々なご意見をお待ちしておりますが、残念ながらこの国籍法の改正に関して、事実と全く違うことに基づいた誹謗中傷や看過できない人種差別的、外国人蔑視的なコメントが数多く寄せられたこともあり、ブログのコメント欄を一時閉鎖しております。

 しばらくの間、ご意見は、http://www.taro.org/contact/ からお寄せ下さい。


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